●友情クリニックVol.8:「アメリカで一番有名なベスト・フレンド――超セレブとの友情の続け方」 

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オプラ・ウィンフリー(左)と親友のゲイル・キング

 友情にまつわる、働く女性の間での大きな関心事のひとつは、友だちへの嫉妬ややっかみとどう付き合うか。友人が仕事で成功したり、大金持ちになったり、ステキな男性と結婚したりすると、友だちとしてはもちろん、心から祝福する。でも、心のどこかに、「いいなあ、あの子ばっかり…」という気持ちが芽生えることもあるだろう。そんなときどうしたらいいのか。

 という、永遠の悩み解決のヒントになりそうな特集記事をアメリカの女性向け雑誌、「O」で見つけた。これは「オプラ」の頭文字、テレビの人気司会者にして、総資産14億ドル(1600億円)を誇るスーパー・ビジネスウーマン、オプラ・ウィンフリーの雑誌である。健康に、おしゃれに、人生を充実させようというコンセプトの月刊誌で、美しい写真と、料理、ガーデニング、子育てのアドバイスやチャリティ、ファッション情報などの記事が満載。この雑誌の現在発売中の8月号が、「女の友情」を特集している。その中身は、女性ライターたちが綴る親友の思い出、病死した友だちを看取ることについてのエッセイや、友だちが困っているときの助け方など盛りだくさん。その中で、目玉はオプラとその親友、ゲイル・キングとの、「三十年間の友情を振り返る対談」だ。

 なんと言っても、オプラは目もくらむような仕事上の成功と巨万の富を手に入れた超セレブ。多くのチャリティを創設し、巨額の寄付もしている。貧しい家庭の出身であることや、ダイエットを繰り返す姿に好感度も高い。ただの人気者ではなく、現代における最高のアメリカン・ドリームの体現者なのだ。ゲイル・キングとは、二人が二十代の初め、メリーランド州ボルチモアの地方テレビ局で、それぞれ安月給で働いていた時からの親友だという。
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●「女友だち」本音インタビュー Vol.7:石田衣良さん「一人の人間をしばり、自分のものにすることは、結婚していようが、友だちだろうが、絶対にできない」 

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『女友だちの賞味期限』をキーワードに、各界で活躍する方々のインタビューを掲載してきた当ブログ。七回目の今回は、『池袋ウェストゲートパーク』シリーズなどで人気の直木賞作家、石田衣良さんをお迎えしました。四十代の女性の、十七歳年下の男性との運命の恋を描く最新作、『眠れぬ真珠』には、かつて恋愛関係にあった男女の友情の始まり、という興味深いサブテーマも。女性観、友情観を縦横無尽に語っていただいたこのインタビューで、女性が「男友だちにしたい男性」ナンバーワンである石田さんの魅力を、ご堪能ください。


石田さんの小説には、同年代の者同士の友情の力で、いろいろな問題に立ち向かっていくということ、それに、自立した女性が重要なキャラクターとして登場するという二点の特徴があるように思います。

それはありますね。僕は、べたべたしてもたれあうような関係が嫌いで、女性でも自立した強い人が好きですね。男の人にべったりの女性は現実にもしんどいですが、小説のなかで描くのもしんどいんですよ。

いいキャラクターになるのは、誰かに振り回されたり、言いなりになったりせず、意思を持って動いている人。自分の尺度を持って働き、考え、恋をしたり友だちとつきあったりできる人。 そういう人は、「女性はこうしなければ」という考えにある程度しばられながらも、生きていく上でどんどん自由になっていく。現実にはそういう女性、増えていると思いますよ。

小説は疑似体験なので、読者がその世界を味わった後、現実の世界に戻ってくると、こちらの世界が明るく見えるとか、「ああ、よかったな」 と思えるなにかが必要だと思います。それを助ける存在としても、強い女性のキャラクターは力を発揮しますね。
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●友だちBOOKSの本棚 Vol.12『対岸の彼女』 

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文藝春秋
角田光代
★結婚していても、していなくても★

直木賞授賞作。同世代の主婦と働く独身女の友情をテーマにした、「ありそうでなかった小説」として話題になった。思春期まではふつうに築くことができた、互いの存在のなかに入り込みあうような濃密な友情は、なぜ進学、就職、結婚…と人生の駒を進めていく過程で薄まっていくのか。境遇が違う友だちと疎遠になっていくしかないのなら、いったいなんのために人は年をとるのか。その問いに対する答えを、二人の主人公の心の機微を通じて考えさせられる。

小夜子と葵。かたや不機嫌な主婦、かたや零細企業の女社。小夜子が葵の会社で働くことになったことをきっかけに二人は知り合う。じつは二人は元同級生だが、学生時代には接点がなかった。立場も性格もまったく違う二人だが、同い年ということもあって、どこか親近感を感じている。家庭生活が順調とはいえない小夜子と、会社の経営難で苦しい葵。二人は別々の事情で懸命に働きながら、次第に親しさを増していく。と思えば、やっぱり合わないと遠ざかり、そしてまた近づき……。
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●友だちBOOKSの本棚 Vol.11『40翼ふたたび』 

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講談社
石田衣良
★「同世代」は友情のはじまり?★

次回「女友だち本音インタビュー」には、この本の著者、石田衣良さんが登場します。お楽しみに!

この人の小説には若者を主人公にしたものが多いが、本書は、初めて自分と同じ40代を正面から描いた作品だ。主人公の吉松喜一は40歳。転職に失敗し、フリープロデューサーという肩書きの、いわば「何でも屋」をやっている。その怪しげな仕事を通じて出会う人たちがさらに怪しい。落ちぶれIT社長とか、オタク系フリーター、ひきこもり暦20年の元青年……みんな喜一の同世代。このIT社長の言葉を借りれば「人生の半分が終わってしまった。それもいいほうの半分が」と感じる年頃だ。

それでも、表舞台からはすっかり降りて隠居するほど枯れ切ってはいないし、それを実現できるだけの経済的余裕、あるいは精神的余裕がない。「いいほうの半分」が終わったけれど、まだ手付かずの「残りの半分」を前に途方にくれているかんじだ。喜一は彼らそれぞれの人生前半戦における最後のあがきに手を貸しながら、自分の人生後半戦に立ち向かう覚悟を固めていく。
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●友情クリニックVol.7:「友情の先には何がある?」答え:「寿命?賞味期限?それとも…。」 

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A子が、電話でため息をついた。「どうしたの?」と聞いてみると、「うん、それがね、友だちのことなんだけど…」。

 私は、誰から相談されているわけでもないというのに、勝手に「友情クリニック」と題したコラムを書いてきた。ついに、「七回目にして本物の友情相談」か?と胸を躍らせ、冷静を装って、「へえ、友だちの悩み?どんなこと?」と尋ねると、こんな話だった。

 A子にとって、今の親友と言える存在は、しばらく前からの知り合いではあるが、ここ一、二年で急に仲良くなったというB子。家族以上に、何でも話せる相手だと思っている。落ち込んだときなど、電話で何時間でも話し相手に乗ってくれるし、映画や音楽の趣味も合うので、よく一緒に外出する。ところが口惜しいことに、B子にはC子という別の友だちもいる。C子は少々、体が弱いこともあり、いろいろなことでB子に頼っていて、B子は、しょっちゅう彼女の家に呼び出される。B子は、A子とよりも、C子と一緒に過ごすことのほうが多いのだ。
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